急な体調不良やケガの際に医師が自宅に駆けつける「往診」。
「夜中に寝たきりの父が急に呼吸が苦しくなって、すぐに病院に連れて行けない…」
こうした切実な状況で頼りになるのが往診サービスです。
この記事では、往診とは何か、訪問診療との違い、往診を実施する医療機関の特徴、そして往診の流れについて詳しく解説します。
また、高齢者の在宅医療に欠かせない往診を依頼する医療機関を選ぶ際のポイントも紹介していますので、いざという時のために参考にしてください。
緊急時に慌てないよう、この記事で往診に関する基礎知識を身につけましょう。
2025年03月11日更新
往診の基礎知識
往診とは
往診は、急な体調不良やケガなど、緊急時に医師があなたの自宅に駆けつけて自宅で診療を行うことです。
「往診」と「訪問診療」は似ているようで大きく異なります。
往診
- 急な体調不良時の臨時対応
- 患者さんや家族からの要請に応じて訪問
- 緊急性の高い一時的な診療
訪問診療
- 定期的な計画に基づく訪問
- 継続的な健康管理が目的
- 予定された診療時間での対応
違いの詳細は下記記事を参考にしてください。
よくわかる!訪問診療・往診の違いを徹底解説
往診を実施する医療機関
往診は、患者の自宅で医療を提供する重要なサービスですが、すべての医療機関が実施しているわけではありません。
また、多くの場合、事前の契約や相談が必要となり、いきなり医療機関に連絡しても往診をしてもらうことは難しいケースが多いです。
医療機関の種類 | 特徴 | 対応時間 | 主な対象者 |
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在宅療養支援診療所 (訪問診療クリニック) | 常時往診可能な医師を確保 訪問看護との連携体制 緊急時の入院施設と連携 在宅療養計画の作成管理 | 24時間365日対応 ※クリニックによっては、対応していない場合もあります。 | 在宅療養中の患者 終末期医療が必要な方 通院困難な方 |
一般診療所・クリニック | 事前相談が必要 対応地域が限定的 かかりつけ患者中心 | 原則診療時間内のみ | かかりつけ患者 軽症患者 |
上記に該当する医療機関に往診対応の可否を確認してみましょう。
また、お住まいの地域の医師会では、往診可能な医療機関のリストを提供していることもあります。
事前に情報を集めておくことで、いざというときの安心につながります。
往診までの流れ
往診は電話相談から始まり、状況に応じて適切な医療を提供します。
- 症状の電話相談:看護師が詳しい症状を確認
- 緊急度判断と訪問時間調整:症状に基づいて往診の必要性を判断
- 医師による診察・処置:自宅での診察と必要な医療の提供
- 治療方針説明と処方:症状や今後の注意点について詳しく説明
- 必要に応じた再診察:症状の改善が見られない場合の対応を検討
かかりつけ医に事前に相談し、夜間や休日の往診対応の可否を確認しておきましょう。また、お住まいの地域の夜間救急医療機関の情報も把握しておくと安心です。急な体調不良に備えて、医療保険証や持病の情報をすぐに取り出せる場所に保管することをお勧めします。
往診を依頼する医療機関を選ぶポイント
往診は緊急時に発生するものです。発生してから探すのでなく、往診がいつ発生してもいいように普段から訪問診療を行ってくれるかかりつけ病院を探しておきましょう。
往診を依頼する医療機関を選ぶ際のポイント
- 24時間対応が可能か
- 電話した際に簡単に救急搬送とせずに、往診してくれるか
- 自宅から医療機関までの距離
往診サービスの利用を考えている方は、まずはかかりつけ医に相談してみましょう。また、お住まいの地域の医師会や地域包括支援センターでは、往診可能な医療機関の情報を提供していることが多いです。事前に複数の医療機関の情報を集めておくことで、いざというときの安心につながります。